たったひとつの
“幸せ色”に。
「道に迷ってしまって・・・」とお電話をいただいたのが、初めての会話でした。 住宅街の中にひっそりと佇むFra cotta Deco。最寄りのJR阿佐ヶ谷駅からは徒歩5分程度の場所ですが、ちょっと奥まった場所なので、迷う方も多いのです。 お電話をいただき、すぐに新郎新婦様を近くまでお迎えに伺いました。
通常の、お打合せは約1時間程度。最初は、沢山あるウェディングフラワーの中でも、メインとも言える新婦様のブーケから打ち合わせをします。 お召になるドレスのラインや、お色目などを拝見して、ご希望をお伺いしました。
ウェディングブーケにも沢山の種類がありますが、今回は「赤」と「白」の2色のみを使ったアマリリスのブーケがご希望。 しかし、お打合せをしながら心配なことが1つありました。それは、「赤」と「白」はそれぞれにしっかりとした主張があるので、 下手に作ると「紅白まんじゅう」のようになってしまうのではないか、という不安。
通常、ブーケや花束を作るときには、同系色のお花を合わせたり、グラデーションを付けたり、反対色のお花をポイントに入れて見せ場を作ったりしますが、 「赤」と「白」だけのブーケをどのように素敵に制作するかが腕の見せ所となりました。 そこで、まずはラフスケッチをお作りいたしました。
通常、お見積りはウェディングのお打合せの最後にご提出いたしますが、今回の場合はどうしてもブーケに使いたい紅白のアマリリスを確実に入手できるかどうか、市場に確認する必要がありました。 また、出回る時期によって花材の価格もバラバラ・・・。
そのため、ラフスケッチのご提出とともに、後日メールでお見積りをお送りいたしました。 お見積りは、ご注文いただいたウェディングフラワーごとにお値段をお出ししています。
今回は、挙式用のウェディングブーケ&ブートニア、お色直し用のウェディングブーケ&ブートニア、ヘッドドレス、贈答用花束をご希望いただきました。 ラフスケッチのイメージの確認や、お見積もり金額についてなど、何度かお電話でお話しをさせていただいた後に正式にご発注となりました。
挙式日も近づいたある日のこと。お客様からご連絡をいただきました。 「友達がウェルカムボードを作ってくださるのだけど、生花で装花をお願いできますか?」とのことでした。
挙式日1週間前までのご注文は承っておりますので、まずはお友達が作られる予定のウェルカムボードの大きさや雰囲気をお伺いしました。 ご親切にデジカメで撮影をした写真をお送りいただきましたので、ますます具体的な色目が分かりました。
当日、ウェルカムボードに装花するお花は、「お友達の想いが詰まったウェルカムボードを引き立てるようなお花を」。ウェディングは、様々な方と一緒に作り上げていくことですから、私たちもワクワク・ドキドキです。
ウェディングブーケ制作というと、お花を市場で買ってきて、それを束ねて完成、というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実はもう一仕事あります。
それは、ウェディングブーケに使うお花を最高の状況でお届けするための下準備。 今回使用の花材は、市場で「つぼみ」で売られていることが多く、仕入れたお花を花屋で咲かせなくてはなりません。 ですが、早めに咲かせすぎてはいけませんし、つぼみのままでは綺麗とは言えません。 天気予報の気温などを参考にしながら、仕入れたお花を丁度良い具合に咲かせなくてはなりません。 時には、ヒーターを使ってみたり、置く部屋をかえてみたり、同じ花材でも5分咲き、7分咲きなど咲き具合を調整して使いたい場合などは花材を分けて咲かせます。
そして、最高の状態の花々を使ってウェデイングブーケを束ねていくのです。
当日は多くの場合、新婦様に直接ウェディングブーケをお渡しできるようにお届けしていますが、ヘッドドレスをご注文の場合、新婦様よりも早く会場に入っています。
「このブーケはこちらを前に持ったほうが素敵ですよ」
「ヘッドパーツはこのようにお持ちしましたので組わせてお使いください」
このように注意事項を新郎新婦様、もしくは会場のプランナー様にお伝えをしています。
当日は、なかなかゆっくりとお話しする時間はありませんが、直接、新郎新婦様にお会いして「ご結婚、おめでとうございます!」と声を掛け、お花を通じてお祝いできることが、本当に嬉しいです。
今回、お打合せやお電話でお話しをするたびに「楽しみです」とおしゃってくださったことを胸に、一緒にウェディングを作り上げることができました。 ウェディング当日が近づくにつれて、私たちも「楽しみ」であり、同時に「わくわく」していました。 どうぞ、おふたりの末永い幸せをお祈りしています。