2018/10/13~10/14までキラリナ京王吉祥寺にてフラコッタデコ10周年「花展」を開催しました。
テーマは「時めき」。このテーマから発想される作品が総数49点展示されました。
どの作品も個性豊かで見応えがある作品が多く、多くの来場者の目を惹きました。
会場で配った一般来場者から寄せられたコメントは378枚にもなり、欄外には「3つに絞りきれません」「他にも沢山素敵な作品が多い」といった言葉が付け加えられていました。
花展の展示のために、全員がそれぞれデザイン案を考え、使用する花材名、本数、展示方法まで一人ひとりがオリジナルで考えています。中には、事前に何度も練習をして当日を迎えられた方もいらっしゃいました。何度も作り、工夫するたびにレベルアップをしていき、当日は見事に仕上がっている方も多かったです。
当初は、外部審査員による審査で1位~3位までの賞を決める予定でした。外部審査員というのは、作品の魅せ方という視点でプロカメラマン、花材の活かし方として日頃から多くの花材を取り扱い、生産者のことをよく知り、さらに輸入花材まで取り扱っている市場の方々、資材の工夫の仕方という視点では市場の中にお店を構え、多くの資材メーカーと取引をしている資材仲卸の方にお願いをしました。
しかしながら、沢山の素敵な作品が並んだために審査員票が割れてしまいました。
そこで、下記の方法で審査を行いました。
①外部審査員からの票を得た作品であること
②当日会場へ訪れた一般の方へのアンケート票で、得票数が多い作品であること
この2つの条件を満たした順で結果を決めました。
なお、3位は当初1作品を予定していましたが、接戦となり甲乙つけがたいため3作品を3位と認定させていただきました。
1位 NO,37 ペンネーム:astmさん
審査員や来場者からのコメントを抜粋させていただきます
◆子供の視点からみえる小草たちのきらめきを見守る母の空間につられました。手に持っている花から、次に何の花をつもうか、その物語空間にトキメキ、オアシスに細く、ていねいに心動かすような作品だと思います。
◆世界観がしっかりと伝わっています。ていないな作りこみが素晴らしい作品だと思います。小花が多く、可憐な印象をうけました。
他多数コメントが寄せられました
2位 NO,3 林 菜美子さん
審査員や来場者からのコメントを抜粋させていただきます
◆深い愛を感じる大人の作品
◆ゆりかごのようで、とてもあたたかい作品だと思いました。ツルウメモドキの使い方が上手だと思いました。
◆イメージと作った作品がリンクしました。実がたくさん使われていて「祝福」を感じました。
他多数コメントが寄せられました
3位 NO、48 相田 理恵さん
審査員や来場者からのコメントを抜粋させていただきます
◆ピンクで統一させると思いきや、バラの実の濃いオレンジが効いていると感じました。セルリアの優しさが更に増して見えます。
◆セルリアのフワフワしたイメージと、作品のイメージが良くあっていると思いました。器も個性的でセルリアを引き立てていると思います。
他多数コメントが寄せられました
3位 NO、12 加藤 千春さん
審査員や来場者からのコメントを抜粋させていただきます
◆シンプルだけど好きだ
◆淡く優しい色合いが可愛らしかったです。エアプランツの動きが面白かったです。
◆バラの色のグラデーションが素敵でした。また、バラの色と大きさのバランスがとても良かったです。シルバーリーフとチランジアの組み合わせも素敵です。
他多数コメントが寄せられました
3位 NO,46 ペンネーム:ひろこさん
審査員や来場者からのコメントを抜粋させていただきます
◆鹿のかわいらしさをうまく表現できていると思います。実ものの使い方、秋をイメージできる色の使い方が素敵です。
◆動きのある枝と実、敷物によるアジサイとのグラデーションがとても素敵です。千日紅と大輪のダリアと器の濃赤茶も映えてトキメキました。
他多数コメントが寄せられました
審査を終えて・・・
今回のテーマ「時めき」には、いろいろな意味が込められています。店名のFra cotta Decoは、私たち姉妹が作った造語。その中で「cotta」はイタリア語で「トキメキ」や「煮る・焼く」といった料理をするという意味です。
市場から「ときめく」ような個性的なお花を仕入れ、心ときめく花活けを大切にしていきたいと思って名づけました。花活けをするデザイナーも、プレゼントをされる方も、「ときめく」ような瞬間を感じてほしいです。
この「ときめき」に10周年のいう時間軸を加えて「時めき」をテーマにさせていただきました。
「時めき」は人それぞれ。どんな「ときめき」が飛び出してくるのか楽しみにして当日を迎えました。
審査員さんのある言葉が印象に残っています。それは、49点、すべてデザインも使っているお花も、飾り方も違う作品だけど「フラコッタデコらしさ」という点がすべての作品にある、というのです。
今回、生徒さんご自身が花材と色を自由に考え、それを仕入れの代行として市場から取り寄せました。なかには、品種名までを指定してくださった方もいらっしゃいました。それにも関わらず、全ての作品に「フラコッタデコらしさ」が感じられたということは、日ごろのスクールで教えている花活けの「核」となる部分が共通しているからなのだと思います。使うお花は使っても、デザインが違っても、土台に共通点があるから自然と統一感がでてくるのでしょう。
今回、出展できなかった生徒さんも沢山花展に遊びにお越しいただきました。日頃一緒に花活けをしている仲間が作った作品や、他のクラスの生徒さんの作品を見て「ときめく」方も多かったと思います。日頃のレッスンでもこの「ときめき」を大切にしながら取り組んでいただければ嬉しいです。講師も生徒さんが「ときめく」ようなレッスンを今後もしていきたいと思います。
フラコッタデコ